カーボンニュートラル目標達成へ向けた取り組み

CO2ゼロを目指そう

カーボンニュートラルとは?

 カーボンニュートラルとはこちらでお伝えした通り、温室効果ガスの排出量と、植物や森林などが吸収する量をバランスさせて、排出量のゼロを実現する概念です。
各国、日本も含めて、2030年までにCO2の中間削減目標を明確に掲げています。これにより、温暖化対策と持続可能な未来の実現に向けた重要なステップが進められています。今回はカーボンニュートラルの目標達成の為に具体的にどのような取り組みをしているのかを詳しく解説します。

世界各国の2030年迄の達成目標

 主要国における2030年の目標を紹介します。いくつかの国では、初期の予定から温室効果ガス排出削減目標が引き上げられました。

日本

 日本では、菅政権が2030年までに温室効果ガスを2013年度比で46%削減することを最低目標とし、さらに50%に挑戦することを宣言しました。これは以前の目標であった2013年度比で26%削減から大幅に引き上げられたものです。

具体的な取り組みとしては、2030年までに100か所の「脱炭素先行地域」を形成し、全国的にクリーンエネルギーの導入を重点政策として推進するなど、さまざまな政策が打ち出されています。これらの取り組みにより、日本はより持続可能な社会への転換を目指しています。

アメリカ

 欧州委員会は、2018年から「A Clean Planet for All」という気候変動対策ビジョンを掲げています。その目標は、2030年までにヨーロッパの主要な100都市でカーボンニュートラル化を達成することです。

また、欧州委員会は「Fit for 55」と呼ばれる計画を進めています。この計画では、航空燃料への課税や、EU外からの鉄鋼やコンクリートへの課税、2035年までにガソリン車の販売を廃止するなど、具体的な取り組みが検討されています。これらの取り組みにより、欧州は持続可能な未来への移行を推進しています。

中国

 中国は、CO2排出量の多さから注目を浴びていますが、中国政府は取り組みを進めています。2030年までにCO2排出のピークアウトを達成し、他の国よりも遅いペースですが、2060年までにはカーボンニュートラルを実現することを目指しています。

中国は世界の温室効果ガス排出量の約30%を占めており、大幅な削減が求められている状況です。そのため、中国政府は積極的な対策を実施し、温室効果ガスの排出量の抑制に取り組んでいます。

日本のカーボンニュートラルへの取り組み

 日本では、資源エネルギー庁をはじめとする各省庁がカーボンニュートラルの実現に向けて取り組んでいます。
たとえば、金融庁では金融機関や資本市場の役割が重要であると認識し、サステナブルファイナンスの促進に向けた取り組みを進めています。
その一環として、「サステナブルファイナンス有識者会議」を設置し、関係者が集まり意見交換を行っています。
これにより、金融部門もカーボンニュートラル実現への貢献を図っています。

脱炭素を積極的に行う事業への出資制度

 環境省は、2021年に脱炭素社会の実現に向けた民間事業への出資制度を導入することを決定しました。この制度は国が出資することで企業の財務状況を改善し、さらなる投資を呼び込みやすくすることを目的としています。

具体的な脱炭素化事業としては、以下のような取り組みがあります。

  1. ゼロカーボンシティ実現に向けた地域の気候変動対策基盤整備事業
  2. 浮体式洋上風力発電による地域の脱炭素化ビジネス促進事業
  3. 廃棄物処理施設を核とした地域循環共生圏構築促進事業

これらの事業に対して、国は予算を出資することとなります。ただし、予算は取得した該当企業の株式の売却などを通じて回収する予定です。

脱炭素経営の促進

 パリ協定の採択を契機に、気候変動に対処するための経営戦略の開示や脱炭素への目標設定を行う企業が増えています。政府もこの脱炭素経営を支援しており、環境省ではTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)に基づいたシナリオ作成や、SBT(Science Based Targets)に対応するためのガイドブックなどを提供しています。

脱炭素経営への取り組みはイノベーションや顧客獲得の機会をもたらすこともあります。脱炭素経営に取り組むことは、新たなビジネスチャンスを得られる可能性を秘めています。

ゼロカーボンシティ

 「ゼロカーボンシティ」とは、日本語で「脱炭素都市」という意味合いの言葉です。この概念は、国が定めた目標に向けて取り組む都道府県や市町村などの地方自治体を指します。具体的には、「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにすることを目指す」という宣言を行った自治体が該当します。

ゼロカーボンシティを宣言した自治体は、国からの支援を受けることができ、クリーンエネルギーの導入などをよりスムーズに進めることができます。この取り組みにより、地方レベルからの環境保護と持続可能な社会の実現に向けた重要な役割を果たしています。

グリーン成長戦略

 正式には、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」と呼ばれるものです。この戦略では、2050年までに成長が見込まれる14の重要分野を設定し、具体的な目標を定義しています。

これらの14分野は、大まかに「エネルギー関連産業」「輸送・製造関連産業」「家庭・オフィス関連産業」という3つに分類されます。しかし、実際には食料や住宅など、ほとんどの生活に関わる産業が含まれています。

ほとんどの分野で、2030年または2050年までに厳しい排出削減目標が設定されています。これらの目標を達成するためには、各分野での技術革新が実現され、具体的に実施される必要があります。技術革新によって、利便性の向上などのメリットも生まれることが期待されています。

環境RE100

 RE100は、企業が使用電力において100%をクリーンエネルギーにすることを目指す国際的な取り組みです。環境省は、自身もRE100に参加し、その実践内容を他の公的機関と共有するために「公的機関のための再エネ調達実践ガイド」を発行しています。

RE100では、2050年までにクリーンエネルギー比率を100%達成することを目標としています。そのために、中間目標も設定されており、具体的な目標値は以下の通りです。

  • 2030年:クリーンエネルギー比率60%
  • 2040年:クリーンエネルギー比率90%

これらの目標を達成することで、企業の持続可能なエネルギー利用が推進され、グリーンエネルギーの普及が促進されることが期待されています。

エネルギー特別会計

 エネルギー対策特別会計は、2007年に設けられた制度で、従来の電源開発促進対策特別会計と石油およびエネルギー需給構造高度化対策特別会計を統合しました。

この特別会計は、以下の4つの目的を持つエネルギー対策を支援することを目的としています。

  1. エネルギー需給構造の高度化対策
  2. 燃料の安定供給対策
  3. 電源の立地に関する対策
  4. 電源の効率的な利用に関する対策

環境省では、エネルギー需給構造の高度化対策の一環として、クリーンエネルギーの導入を促進する補助金や、EVカーシェアリングの導入を支援する取り組みを行っています。これにより、持続可能なエネルギーの普及や低炭素社会の推進を目指しています。

カーボンニュートラルと生活様式の変化

デジタル化やテレワークなどへの取り組み

 新型コロナウイルスのパンデミックにより、テレワークやハイブリッドワークといった働き方が急速に普及しました。同時に、DXやペーパーレス化などのデジタル化も進展しました。これにより、オフィスの縮小や移動コスト・電力消費量の削減など、総合的な省エネルギーが実現されました。

技術革新はカーボンニュートラル実現において不可欠ですが、現段階では既存の技術やインフラを最大限に活用することが重要です。また、テクノロジーの進歩に伴い、より効果的な取り組みが可能となるでしょう。環境への負荷を軽減しながら、持続可能な社会の実現に向け、現在可能な範囲での取り組みを徹底する必要があります。

高持続可能性の経済システム「サーキュラー・エコノミー」の浸透

 サーキュラーエコノミー(Circular Economy)とは、経済システムの一つであり、日本語では「循環型経済」と訳されます。この新しい経済モデルでは、従来は廃棄物とされていた製品や原材料を「資源」として捉え、リサイクルや再利用などの手法を通じて循環させることを目指します。

サーキュラーエコノミーでは、製品の消費後も資源としての価値を保持し、資源の抽出から製造、消費、そしてリサイクル・再利用(または資源の抽出)へと循環させる流れが重視されます。製品の設計段階からリサイクルや再利用が容易になるように工夫されることで、廃棄物の削減と新たな資源の利用の最小化を実現します。

一方、従来の経済モデルであるリニアエコノミー(Linear Economy)は、「資源の抽出→製造→消費→廃棄」という一方向の流れを追求します。このモデルでは大量の廃棄物が生じ、資源の無駄遣いとなってしまいます。

サーキュラーエコノミーは持続可能な経済システムを築くための重要なアプローチであり、資源の有効活用や廃棄物の最小化を実現することが期待されています。

サーキュラー・エコノミーには複数の定義がありますが、一般的には使用された資源や製品をリサイクルして再利用することを指します。

リサイクルには以下の3つの方法があります。

  1. マテリアルリサイクル:回収した材料を原料として新たな製品に再利用する方法。
  2. ケミカルリサイクル:回収した材料を科学的に分解し、化学的な再生資源として利用する方法。
  3. サーマルリサイクル:回収した材料を燃料として利用し、熱エネルギーを生み出す方法。

モノのシェアリングを支援するサービスや、サブスクリプションモデルといったビジネスモデルは、循環型経済を推進する上で企業の重要な役割を果たしています。企業にとっては、製品の効率的なリユースやリサイクルがますます重要になるでしょう。

例えば、PaaS(Product As a Service)やDaaS(Device As a Service)のように製品をサービスとして提供するアプローチもあります。

循環型経済の拡大が予想されており、社会への浸透が進めば、カーボンニュートラルへの貢献もより大きくなると言えます。

まとめ

 2050年に向けたカーボンニュートラルの達成には、2030年時点での目標の達成が不可欠です。
多くの国や企業がより野心的な目標や長期的なビジョンを掲げ、積極的に取り組んでいます。

現在、消費者や投融資家、取引先など、関係者の視点が大きく変わりつつあります。カーボンニュートラルへの取り組みは、企業にとって必須の課題となりつつあり、同時に新たなビジネスチャンスをもたらす可能性もあります。実際、グローバルに展開する多くの日本企業は、気候変動に対する方針を策定しており、その取り組みはサプライチェーンを通じて中小企業にも波及しています。新たなイノベーションを待つ必要はありません。今できる取り組みから一歩を踏み出すことが重要です。

企業は、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの導入、省資源の実践など、現段階で実施可能な取り組みを積極的に進めることで、カーボンニュートラルへの道を切り拓いていくことが求められています。

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