GX推進法とは

GX推進法

GX推進法とは

2023年5月12日、「GX推進法」は成立しました。GX推進法案は、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案」として知られており、日本国内でのグリーン・トランスフォーメーション(GX)の実現を目指すために策定されました。
この法案は、2050年に向けたカーボンニュートラルな社会を実現するための国際的な公約と、産業の競争力強化や経済成長を両立させるために、官民の連携によるGXへの投資を促進することを目的としています。

GX推進法案の趣旨

2050年に向けてのカーボンニュートラルな社会実現のため、世界中で脱炭素化が急速に進んでいます。
日本でも、化石燃料からクリーンエネルギーへの移行を促進するため、「GX(グリーントランスフォーメーション)」が重要な政策となりました。2022年7月、岸田政権後にGX実行会議が設立され、その後、2022年12月に「GX実現に向けた基本方針」がまとめられました。

この「GX実現に向けた基本方針」をもとに、2023年2月には閣議決定が行われ、その後、5月12日には参議院と衆議院で可決され、以下の法令が制定されました。

  1. GX推進戦略の策定・実行
  2. GX経済移行債の発行
  3. 成長志向型カーボンプライシングの導入
  4. GX推進機構の設立
  5. 進捗評価と必要な見直し

「カーボンプライシング」とは

「カーボンプライシング」は、企業などが排出するCO2(カーボン、炭素)に対して価格を設定し、それによって排出者の行動を変えるために導入される政策手法です。炭素税や排出量取引などのよく知られた制度が存在しますが、それだけではありません。カーボンプライシングにはさまざまな手法があります。

一般的に、政府が主導するカーボンプライシングには、以下のようなものがあります。

  • 「炭素税」: 企業が燃料や電気の使用に伴って排出したCO2に課税する制度。
  • 「排出量取引制度(ETS=Emission Trading Scheme)」: 企業ごとに設定された排出量の上限を決め、超過する企業と下回る企業との間でCO2の排出量を取引する制度。
  • 「クレジット取引」: CO2削減を「価値」として扱い、証書化して売買する仕組み。

また、エネルギーに対する諸税や法的な規制などもカーボンプライシングの一環として考えられます。

これらの政府主導の手法に加えて、企業が自主的にCO2排出を削減するために、独自に炭素に価格を設定し、投資判断に活用する「インターナル(企業内)・カーボンプライシング」などの方法も存在します。

カーボンプライシング導入の必要性

GX(グリーントランスフォーメーション)の推進には、脱炭素化に向けた投資が不可欠です。政府は、革新的な技術開発や設備投資など、エネルギー・原材料の脱炭素化と収益性向上に寄与する取り組みを支援することを発表し、今後10年間で約150兆円の投資が必要との見通しを示しました。

脱炭素化への移行には時間がかかります。特に日本は製造業が多く、工場などの設備は20年から30年の減価償却期間が必要です。新たな設備投資を行うには時間が必要であり、先行投資が求められます。そのため、政府は移行債の発行を決定しました。

2023年度からの10年間で、約20兆円規模のGX経済移行債を発行する予定です。初年度の発行額は約5000億円と見込まれています。

この債券は、化石燃料賦課金や特定事業者負担金によって償還されることが予定されています。具体的な回収方法については、現時点では詳細が明らかにされていませんが、賦課金や負担金の仕組みが活用されることで債券の償還が行われる見込みです。

カーボンプライシング導入のメリット

カーボンプライシングの導入により、CO2排出業者の行動が変化することで、地球の温暖化対策としてCO2排出量の削減が促進されます。さらに、クリーンエネルギーを活用した製品や事業の付加価値が向上し、脱炭素化への取り組みが後押しされるなど、さまざまなメリットがあります。また、カーボンプライシングによって脱炭素技術が普及する期待もあります。

一方で、CO2排出のコスト増加は企業の生産活動に影響を及ぼす可能性があります。国際的な競争力の低下や、規制の緩い国への生産拠点や投資の移転など、経済に悪影響が生じる可能性もあります。

このような悪影響を避けるためには、バランスの取れた制度設計が重要となります。また、積極的に取り組む企業にはインセンティブを与える仕組みも必要です。そうすることで、CO2排出削減と経済の調和を図ることができます。

世界各国で広がるカーボンプライシングの動き

世界各地では、排出量取引制度(カーボンプライシング)が既に導入されており、2005年にはEUにて世界初の導入が開始、2009年にはアメリカの北東部州で、2015年には韓国で、2021年には中国では電力事業者を対象に全国的な導入が開始されました。

EUでは、年間の排出量の約40%がカバーされているとされています。また、韓国では2015年から導入され、年間排出量の約70%をカバーしています。段階的かつ柔軟な導入策が取られており、直近の3年間で平均12.5万トン以上のCO2排出量を抱える企業など約600社が対象となっています。

排出量取引制度(ETS)を導入している国

EUをはじめとする各国は、排出量取引制度(EU-ETS)を導入しています。2005年にEUがこの制度を世界で初めて開始しました。EU-ETSの取引量は、EU域内のCO2排出量の約40%をカバーしていると見積もられています。

韓国では2015年に制度が開始され、直近の3年間の平均CO2排出量が12.5万トン以上の約600社が対象となっています。この規制は韓国の年間排出量の約70%をカバーしています。

また、中国は世界で最もCO2排出量が多い国であり、2021年からは電力事業者を対象に全国的な制度を導入しています。現在、対象となっている企業は年間排出量全体の約40%をカバーしており、2025年までには石油化学、鉄鋼、製紙など他の産業部門も含めた対象範囲の拡大が計画されています。

炭素税を導入している国

炭素税は主に欧州を中心に普及しています。
フィンランド、スウェーデン、フランス、英国、ドイツなどのEU加盟国では、排出量取引制度に加えて炭素税が導入されています。ただし、EU-ETSの範囲に含まれる企業は通常、炭素税の対象外とされています。また、カナダなどの一部の州でも州レベルで炭素税が実施されています。

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