「0円ソーラー」システムのしくみ
0円ソーラーのしくみとは?本当にお得なのか解説
2022年12月の消費者物価指数は、11月の3.7%から0.3ポイント上昇し、41年ぶりに4%を記録したと、総務省が発表しています。この上昇率はオイルショック以来の高い水準です。
エネルギー価格も上昇傾向であり、電気代・ガス代・ガソリン代を合わせたエネルギー価格は2022年11月の前年比13.3%から15.2%に増加しています。特に電気代は前年比20.1%から前年比21.3%に上昇しており、家計への影響が大きい状況です。
こうした状況を背景に、再度太陽光発電が注目されています。東京都や川崎市などでは、2025年以降に新築する戸建て住宅の一部に太陽光パネルの設置を義務付ける方針が検討されています。太陽光発電は、自家消費や売電によって将来の電気代を削減する可能性があり、他人事ではなくなってきたと感じられるかもしれません。
ただし、太陽光発電の導入には高額な費用がかかることから、多くの人が躊躇しているかもしれません。このような中で、「0円ソーラー」という魅力的なネーミングのシステムについて解説します。未来の電気代を削減する可能性を考える上で参考になるでしょう。
0円ソーラーとは
0円ソーラーとは、戸建て住宅を所有するユーザーが太陽光発電設備を事業者に無償で設置してもらうサービスです。
一般的な太陽光発電システムの導入には、太陽光パネルやパワーコンディショナーの購入費、配線の工事費、架台の取り付け費などさまざまな初期費用がかかります。これらの費用はメーカーや施工業者に支払われ、平均して120万円〜170万円ほどになります。
一方、0円ソーラーでは、事業者がこれらの初期費用を負担します。ユーザーは太陽光発電設備を無償で屋根に設置することができますが、その後は約10年間、発電済みの電気の使用量や設備のリース料を一定期間支払う必要があります。一定期間が経過すると、ユーザーは太陽光発電設備を無償で譲り受けることができるため、長期的に見るとメリットがあります。
0円ソーラーの事業者が初期費用を無料で提供する理由は、ユーザーが発電した電力を電力会社に売電することで得られる売電収入や、設備のリース料により、事業者が初期費用を回収できると考えられているからです。この仕組みにより、ユーザーは初期費用を気にせずに太陽光発電設備を利用できる一方、事業者は売電収入などを通じて利益を得ることが期待されています。
0円ソーラーは3種類ある
0円ソーラーには、以下の3つの主なタイプがあります。
- 電力販売(ソーラーPPAモデル)
- 屋根借り
- リース
それぞれのタイプには特徴やメリット・デメリットが異なりますので、ユーザーは自身のニーズやライフスタイルに合わせて選択することをおすすめします。しっかりと仕組みを理解して、より適した0円ソーラーを選ぶことが大切です。
電力販売(ソーラーPPAモデル)
PPAソーラー(Power Purchase Agreement)は、事業者が設置した太陽光発電システムで生成される電力を、ユーザーが有償で利用する方式です。
仕組みは以下の通りです。
- PPA事業者が太陽光発電システムを所有・管理し、契約者となる一般ユーザーに無料でソーラーパネルを設置する。
- ユーザーは0円ソーラー事業者に対して、太陽光発電で発電した電気のうち、使用した電気料金の支払いを行う。
- 0円ソーラー事業者は、ユーザーが使わなかった余剰電力を電力会社に売る。
ソーラーPPAモデルのメリットは、以下のような点です。
- ユーザーが自宅で電力を発電するため、通常よりも電気代を削減できる。
- 再エネ賦課金が発生しないため、経済的にお得。
- 契約期間完了後にソーラーパネルが所有者になる。
ただし、デメリットも存在します。
- 契約期間が長期であり、途中で解約すると設備買い取りの負担や違約金が発生する場合がある。
- PPA事業者の売電収入が減少し、契約期間中は蓄電池や電気自動車で充電するなどの機器を追加設置できないことがある。
このように、利用するには個々の状況によって向き・不向きがあると言えます。
リース
0円ソーラー事業者が、ソーラーパネルの設置に関する初期費用を負担し、代わりに住宅の所有者であるユーザーが月々のリース料を0円ソーラー事業者に支払う方式です。
この仕組みでは、発電した電力は事業者のものではなく、住宅を持つユーザーのものとなるため、自宅で生成した電気をそのまま利用できます。さらに、余った電力を売ることで収入を得ることも可能です。PPAモデルとは異なり、蓄電池や電気自動車の電気を家庭で利用するV2Hなどと組み合わせて使用することもできます。
ただし、リースでは毎月のリース料の支払いが発生する点がポイントです。そのため、月に電気を多く使ったり、売電収入が少なかったりすると損をする可能性があります。ソーラーパネルのスペックによってリース料金が変動する場合もあるため、注意が必要です。適切な選択をするためには、事前によく検討することが重要です。
屋根借り
屋根を0円ソーラー事業者に貸し、太陽光発電システムを設置する方式は、ユーザーの自宅を活用する方法です。
しかし、この方式では太陽光発電システムは0円ソーラー事業者の所有となるため、発電した電気も事業者のものとなります。そのため、自身で発電した電気を利用したり、売電したりすることはできません。電力販売やリースのように直接的な電気代の節約にはなりません。
ユーザーは屋根を貸し出すことで、事業者から年間約1〜2万円の少額な借料を受け取ることができます。しかしこの収入は大きくはなく、太陽光パネルの新規購入や設置を行うためには制約があります。事業者の所有物があるため、ユーザー自身が太陽光パネルを新たに購入して設置することはできません。
この方式は、賃貸物件のオーナーが追加収入として導入しているケースもありますが、個人宅ではあまり利用されていないようです。長期の契約や制約を考慮して、自宅での太陽光発電の導入方法を慎重に検討することが重要です。
0円ソーラーのメリット
設置料金が無料
0円ソーラー事業者が初期費用を負担するため、自宅を持つユーザーは太陽光パネルを設置する際に一切の費用がかかりません。さらに、契約期間中の維持・管理も事業者が担当しているため、ユーザーはメンテナンス料金を負担する必要がありません。これらの点が0円ソーラーの大きなポイントとなります。ユーザーは手軽に太陽光発電を導入し、再生可能エネルギーの恩恵を受けることができます。
0円ソーラーの導入をおすすめできるのは、以下のような方です。
新築の一戸建てを購入する予定で、同時に太陽光発電も検討している方: 0円ソーラーの設備費用は住宅ローンの予算に含まれないため、資金計画がスムーズに立てられます。経済的な負担を軽減しつつ、再生可能エネルギーの導入を実現できます。
電気料金の負担を軽減したい方: 0円ソーラーは通常の太陽光発電の電気料金よりも割安に設定されているため、電気代の節約に貢献します。自宅で発電した電気を使用することで、年間約6万円ほどの節約が見込めるという事例もあります。
電気料金が安くなる
0円ソーラーのもう一つのメリットは、電気料金の削減による経済的な恩恵です。
例えば、電力販売(PPAモデル)を利用する場合、再エネ賦課金を支払う必要がありません。具体的に2022年の再エネ賦課金を1kWhあたり3円45銭として計算すると、一般の家庭の電気使用量260kWhで試算すると、1ヵ月あたり約897円、年間で約10,764円の再エネ賦課金がかかるとされています。
しかし、0円ソーラーを利用する場合は、この再エネ賦課金を支払う必要がないため、毎月の電気代を節約できます。さらに、再エネ賦課金は年々上昇していく傾向にあるため、導入すれば将来的な電気料金の上昇への影響も軽減できるでしょう。
契約期間終了後は自分の所有物になる
0円ソーラーのもう一つの大きなメリットは、電気料金の削減と収入の獲得が期待できる点です。
初期費用を0円ソーラー事業者が回収した後は、ソーラーパネル設備がユーザーのものとなります。そして、事業者との契約期間中に発電した電気はユーザー自身が利用することができます。これにより、自家消費した電気分の電気代を節約できるだけでなく、余った電気を電力会社に売ることで収入を得ることもできます。
また、これらのメリットは「屋根借り」以外の0円ソーラーにも適用される点が魅力です。自宅の屋根を使って再生可能エネルギーを発電することで、電気料金の削減と収入の両方を実現できるという点は、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。
災害時の非常用電源として使える
近年、地震や台風などの自然災害による停電のリスクが高まっていますが、0円ソーラーを導入することで日中の電力を確保できる重要な利点があります。
太陽光パネルは日中に太陽の光を利用して電力を発電します。この発電した電力を利用することで、停電時でも日中の電気をまかなうことが可能です。
具体的な方法としては、0円ソーラーを設置した際に同時に設置する電気の交流変換装置・パワーコンディショナーを停電時に手動で操作し、太陽光パネルから発電した電力を送電することで、家庭内の電力を使うことができるようになります。
このように、0円ソーラーを導入することで自然災害などの停電時にも電力を確保できるため、安心して日常生活を送ることができます。
地球に優しい
0円ソーラーは太陽の光で電力発電を行うため、地球温暖化の原因となるCO2の排出を抑えることができます。
このため、0円ソーラーの導入は地球温暖化対策に大きく貢献します。
環境省による試算では、例えば7.6kWの太陽光パネルを設置した24坪南向きの住宅において、1世帯あたりの年間平均CO2排出量を約4.15トンとした場合、18年間住み続けることで、建築時を含めたトータルのCO2排出量を実質ゼロにすることが期待されます。
このように、0円ソーラーの採用は地球温暖化への対策として非常に効果的であり、持続可能な環境への貢献が期待されます。
お電話からはこちら▼
042-310-0750
弊社の0円ソーラーはSDGsをに向けた取り組みを考えている企業におすすめです。
0円ソーラーは初期費用なしで導入ができる月々定額制太陽光発電システムであり、一定期間経過後には設備の権利は貴社のものとなります。
メリットとしては、
・電気代のコストダウン
・停電時に会社の動きがストップすることを防ぐ
・SDGsへの貢献による企業価値の向上
・補助金が活用できる
など様々です。
先で述べたようなESG経営による企業価値の向上、投資をされやすくなることや、ビジネスチャンスの増加、お客様から選ばれる企業に成長できるなどの大きなメリットに加え、会社内でかかる大きな電気代を一定に出来ることや、災害などにより停電が起こったときに電力会社に依存せずに自家発電で会社を動かせることは継続的なコストカットや会社の信用にも繋がります。
脱炭素経営を目指すならメリットの多い太陽光発電をおすすめします。