太陽光パネル義務化はいつから?

家庭用太陽光パネル

2022年12月15日、東京都は太陽光パネル設置の義務化を正式に決定しました。

この義務化は個人の住宅が対象であり、法人や施設ではありません。具体的な施行時期については報道されている情報が限られていますが、本記事では詳細な施行時期について解説いたします。

義務化が施行されるエリアについては、東京都内が対象となります。その他の自治体についても同様の動きが見られるかどうかも注目されるところです。

この太陽光パネル設置の義務化の背景には、再生可能エネルギーの普及を促進し、地球温暖化対策や持続可能な社会への取り組みを進める狙いがあります。

他の自治体においても同様の取り組みが行われる可能性があるため、地域ごとの動向を把握することも重要です。

義務化に対しては、具体的な対応策を検討する必要があります。太陽光パネル設置の費用やメンテナンスについての情報収集や、専門家の意見を仰ぐことで適切な対応ができるでしょう。

今後の情勢に注目しつつ、太陽光パネル設置の義務化に対して適切な対策を講じることが大切です。

太陽光パネルの義務化

日本はエネルギーの自給率が低く、2019年度の経済産業省の資料によるとわずか12.1%であり、他のOECD諸国と比較しても非常に低い水準です(OECD36カ国中で35位)。かつては東日本大震災前の20.2%でしたが、原子力発電所の停止により現在の水準にまで落ち込んでいます。

この自給率の低さは、エネルギーの国外依存度を高めてしまい、国際情勢の影響を強く受けることに繋がります。その結果、エネルギーの安定的な供給が困難になるリスクを抱えています。

このような課題に対処するため、再生可能エネルギーの一つである太陽光発電は国の政策レベルで取り組まれています。特に東京都は、2022年に国に先駆けて太陽光パネルの設置を義務化することを決定しました。

この取り組みにより、太陽光発電の普及が進むことで再生可能なエネルギーの利用が増え、自給率の向上やエネルギーの安定的な供給を図る一助となることが期待されています。

住宅への設置台数の増加がねらい

東京都が発表した太陽光パネル設置の義務化は、新築住宅を対象にした条例です。

この取り組みにより、個々の家庭が太陽光パネルを設置し、自家消費する電力を自給することが促進され、エネルギーの自給率が低いという課題への対処が可能となります。

家庭の電力消費は家族構成やライフスタイルによって異なるため、すべての家庭が太陽光パネルだけで完全に自給できるわけではありません。しかし、太陽光パネルを設置した住宅が増えれば増えるほど、公共の電力負担が減少する効果が期待されます。

この義務化の目的は、住宅への太陽光パネル設置台数を増やし、再生可能エネルギーの利用拡大を進めることにあります。これにより、エネルギーの持続可能性を高めるとともに、地球温暖化への対策やエネルギー安定供給への貢献が期待されています。

義務化の背景

現時点では、太陽光パネル設置の義務化は東京都だけが実施を決定している状況ですが、国も同様の検討を進めています。

太陽光パネルのような比較的大型の設備を、一般住宅へ設置を義務付けることに疑問を感じる方もいるかもしれませんが、日本が抱えるエネルギー問題の深刻さを理解する必要があります。さらに、国際的な課題である環境問題も背景にあります。

次章では、太陽光パネル設置の義務化について詳しく解説していきます。国と自治体の動向やエネルギー問題、環境問題の重要性についても触れながら、太陽光発電が持つ潜在的な可能性やメリットについて考えていきます。

太陽光パネル義務化で解消される課題

再生可能エネルギーは、「太陽光発電」を含む水力、バイオマス、地熱などの技術を指し、地球温暖化や脱炭素などの問題に対して有効な解決策として期待されています。

これらの再生可能エネルギーは、地球全体が抱える課題であり、世界各国の政府も積極的に導入を後押ししています。

具体的な内容を見ていきましょう。

地球温暖化

地球温暖化は、温室効果ガスが増加することによって地球全体の温度が上昇する現象です。

温室効果ガスは、人類が排出している「二酸化炭素(CO2)」や「メタン」などの気体のことで、これらが大気中に増加すると、地球から放射されるべき熱が一部温室効果ガスによって遮られ、地球上に留まるため温度が上昇します。

結果として、地球の気候や環境に様々な影響を及ぼし、降雨パターンや海面の水位などに変化が生じ、生態系にも影響を及ぼしています。

CO2は石油や石炭などの化石燃料の使用によっても排出されます。特に産業革命以降の近代化に伴い、化石燃料の使用が増加し、CO2の排出量が急増したとされています。

このような問題に対処するため、再生可能エネルギーである太陽光発電は重要な役割を果たしています。太陽光発電は、火力発電などの従来の発電方法と比較してCO2を排出しないため、地球温暖化対策においてCO2の排出削減に貢献し、環境保護に有益とされています。

脱炭素

日本では、CO2の排出量の約4割弱が発電によるものであることが認識されています。化石燃料を使用した発電が主な原因であり、地球温暖化の課題に対処する際には、「発電の脱炭素化(CO2排出ゼロ)」が重要なテーマとなっています。

脱炭素化のためには、原子力発電も一つの方法でしたが、原発事故を受けて再稼働が難しい状況です。そのため、再生可能エネルギーへの期待が高まっています。太陽光発電を含む再生可能エネルギーは、CO2の排出をほとんど行わず、地球温暖化対策に大きく寄与すると考えられています。

政府が2020年10月に発表した「カーボンニュートラル政策」は、温室ガスの排出から森林等による吸収量を差し引いて、排出の合計値を実質ゼロにする取り組みを指します。この政策は、2050年までに実現することを目指して掲げられており、再生可能エネルギーの活用がカーボンニュートラルの実現に向けて重要な手段となるとされています。

エネルギー消費量増加への対策

産業革命以降、人口増加とともに世界のエネルギー消費量は急激に増加しています。石油や石炭などの化石燃料がエネルギー資源として使用され、便利な生活をもたらす一方で、大量の化石燃料の使用が地球環境に影響を及ぼすようになりました。

近年においてもエネルギー消費量の増加は止まっておらず、国際エネルギー機関(IEA)によると、2030年には2014年と比較して1.3倍に増加すると予測されています。

しかしながら、2030年でも石油が「最大のエネルギー源」であることが、国際エネルギー機関(IEA)を含む関連機関の一致した見解です。

限りある資源である石油や石炭に頼り続けることは持続可能ではないため、再生可能エネルギーなどによる資源の安定的な確保が、世界規模で急務とされています。地球温暖化やエネルギー問題に取り組むためには、再生可能エネルギーの活用がますます重要となっているのです。

太陽光パネル義務化はいつから?

太陽光パネル設置の義務化は国の政策として取り組まれているテーマですが、実際の動きには国と自治体で違いが見られます。

具体的な太陽光パネルの設置義務に関する対象物や時期などについては、国やほとんどの自治体ではまだ詳細が決定されていない状況です。すでに義務化を決定した東京都の詳細な規定を含めて、他の自治体や国がどのような段階にあるのかを次章で見ていきましょう。

これにより、太陽光パネル設置の義務化がどのように展開されるか、全国的な動きにも目を向けながら理解を深めることができるでしょう。太陽光発電の普及に向けたさまざまな取り組みが今後の政策や自治体の動向によって具体化されることが期待されます。

義務化対象エリア

この章では、2023年3月時点で太陽光パネルの設置が義務付けられている対象エリアや国の検討状況、そして具体的な動きを見せている自治体の詳細について説明します。

国は現在検討段階

国は太陽光パネルの設置に積極的な姿勢を見せていますが、現段階では一般住宅への義務化は決定されていません。

政府が取り組んでいる再生可能エネルギーの推進には、国土交通省、経済産業省、環境省が連携しており、「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」が設置されています。

この検討会は有識者や実務者を加え、太陽光パネルを含めた再生可能エネルギーの取り組みを検討しています。2021年6月には「政府や公共団体への太陽光パネルの設置は義務化し、一般住宅への義務化は見送る」と発表されました。そのため、現段階において太陽光パネルの設置は全国の一般住宅で義務化されているわけではありません。

具体的な時期についても発表はされていませんが、政府の目標として「2030年までに新築一戸建て住宅の6割に太陽光パネルを導入する」という目標が掲げられているため、一般住宅への義務化は早くても2031年頃と見られています。

東京都の動き

東京都では2030年までに、都内の温室ガス排出を50%削減する「カーボンハーフ」の実現を目標にしています。

この実現に向けて、2022年12月には新築住宅への太陽光パネルの設置を義務化するための改正案が可決・成立し、国に先駆けて一般住宅への義務化が決定しました。

この条例は2025年4月から施行される予定です。これにより、東京都内の新築住宅には太陽光パネルの設置が義務付けられ、再生可能エネルギーの導入が推進されることになります。これによって、都内の温室ガス排出の削減に寄与し、カーボンハーフの目標達成に一歩近づくことが期待されています。

独自の義務化案を制定

東京都が定めた条例では、太陽光パネルの義務付け対象は、新築住宅の購入者(居住者)ではなく、都内で住宅を供給する大手住宅メーカー50社程度に限定されています。具体的には、年間の延べ床面積が2万平方メートル以上の住宅メーカーが対象となります。

ただし、義務化であっても、太陽光パネルの設置に関する判断は、対象事業者に委ねられています。日照状態や住宅の形状など、様々な要因によって設置の可否が影響を受けるため、具体的な設置対象は事業者が自ら判断することとなります。また、屋根の面積が一定規模未満の場合には、設置の対象から除外される可能性もあります。

このように、東京都の太陽光パネル設置義務化は、大手住宅メーカーに対して一定の義務を課すものであり、具体的な設置に関する判断は事業者の裁量に委ねられています。これにより、都内の住宅に再生可能エネルギーの導入が進むとともに、温室ガス排出削減の一助となることが期待されています。

神奈川県川崎市の動き

神奈川県川崎市も太陽光パネルの設置を義務化する条例の制定に取り組んでいます。 2023年度中に川崎市では太陽光パネルの設置義務化を施行する予定です。

延べ床面積を基準に条例制定

川崎市では、新築や増改築建築物において延べ床面積2,000平方メートル以上の場合、建設主に太陽光パネルの設置を義務付ける案が検討されています。

さらに、市内で延べ床面積50,000平方メートル以上の住宅を供給する住宅メーカーには、延べ床面積が2,000平方メートル未満の新築建築物に対しても太陽光パネルの設置を義務付ける予定です。

ただし、日照条件や住宅の形状などにより、設置対象からの除外を可能にするかは検討中となっています。これにより、特定の条件に当てはまらない建築物に対しても適切な対応が行われることを目指しています。川崎市の太陽光パネルの設置義務化により、再生可能エネルギーの導入が進み、地域の持続可能なエネルギー利用が推進されることが期待されています。

京都府の動き

京都府では、2015年に「京都府再生可能エネルギーの導入などの促進に関する条例」を制定し、一定の基準に該当する建築物に太陽光パネルの設置が義務付けられています。

延べ床面積を基準に条例制定

京都府では2015年より、延べ床面積2,000平方メートル以上の建築物に太陽光パネルの設置が義務付けられていました。

さらに、2021年には条例が改正され、延べ床面積が300平方メートル以上の事業所・住宅・ビルを建築する場合も太陽光パネルの設置が義務付けられるようになりました。

また、太陽光パネルの設置を行う住宅メーカーや工務店に対しては、消費者に対して太陽光発電システムの情報提供を義務付ける措置も取られています。

群馬県の動き

群馬県では、「ぐんま5つのゼロ宣言実現条例案」において、2050年までに温室効果ガスの排出量ゼロを目指す方針を掲げています。そして、2022年には一定の基準に該当する建築物に太陽光パネルの設置を義務付ける条例を制定しました。

この条例は2023年4月から施行され、延べ床面積が一定基準を満たす建築物には太陽光パネルの設置が義務づけられることとなりました。

一定規模以上の設備に対して義務化

群馬県では2023年4月より、延べ床面積が2,000平方メートル以上の建物の新築や増改築において、太陽光パネル等の再生可能エネルギー設備の設置が義務付けられる条例を制定しました。この条例の対象は工場や事業所などの建築物です。

今後太陽光パネル義務化は拡大される?

これまで紹介した自治体以外にも、多くの自治体が再生可能エネルギーの推進に積極的に取り組んでいます。

太陽光パネルの一般住宅への設置義務化は、まだ制定していない自治体もありますが、温室効果ガスの削減と地球環境保護への意識が高まる中で、今後、新たな自治体が検討を始めることが予想されます。

また、国もカーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの普及を含む様々な対策を進めています。太陽光パネルの義務化を国レベルで検討する可能性もあり、再生可能エネルギーの推進がますます重要視されるでしょう。地球環境の保全と持続可能な社会への移行に向けて、自治体や国が連携し、継続的な取り組みを行っていくことが必要とされています。

太陽光パネル義務化に向けてやっておくべきことは?

太陽光パネル設置が義務化されていない自治体にお住まいの方でも、将来的なことを考慮して以下の項目を押さえておくことは重要です。もし義務化が決定した場合、慌てることなくスムーズに対応できるでしょう。

太陽光システムの仕組みや特徴を知っておく

太陽光パネルは、光が当たるとシリコン半導体の現象を利用して電気を発生させる装置です。

太陽の光を浴びて発電した後、発電した直流電力はパワーコンディショナという装置によって家庭で使われる交流電力に変換されます。この交流電力を家庭で利用することで、電力会社からの購入電力を減らすことができます。

蓄電池を導入している場合は、昼間に太陽光パネルで発電した電力を蓄え、夜間や雨天時にも自家消費できます。また、蓄電池を導入していなくても、余った電力は自動的に電力会社に売電されるため、無駄なく利用できます。

太陽光パネルは再生可能エネルギーであり、自宅で発電した電力を利用することで、エネルギー費用の節約や地球環境への貢献が期待できます。さらに、蓄電池の導入によって自家消費率を高めることで、より効率的に電力の利用ができるため、太陽光パネルはエネルギーの持続可能性に寄与する重要な技術と言えます。

費用相場を調べておく

太陽光パネルの導入を検討する際、気になるのが費用ですね。

太陽光パネルの導入には、パネル自体の価格だけでなく、パワーコンディショナや配線、架台など、設置に必要な機器や工事費用も含まれます。一般的に、屋根の形状や設置したい容量、パネルのメーカーなどによっても価格は異なります。

一般的な太陽光パネルの導入には、約120万円から170万円程度の費用がかかることがありますが、具体的な費用は導入を検討する地域や業者によって異なります。

太陽光パネルの導入を検討する場合は、複数の業者に見積もりを依頼し、慎重に比較検討することが重要です。また、導入後の発電量や節約効果なども考慮して、長期的な視点で判断することが大切です。導入に際しては、専門家の意見を仰ぐこともおすすめします。

太陽光パネルメーカーの動向を把握する

日本国内では、多くの太陽光パネルメーカーが競合しており、さまざまな選択肢があります。

2005年時点では、日本メーカーが太陽光パネルの世界市場で大きなシェアを占めていましたが、近年では海外メーカーの存在感が高まっています。2018年には、日本メーカーの世界シェアは低下し、中国・台湾のメーカーが主導するようになりました。

しかし、日本国内の住宅用太陽光パネル市場では、日本メーカーが2019年時点で76%のシェアを維持しています。パナソニック・京セラ・シャープ・ソーラーフロンティアなどの日本メーカーは、特に住宅用の太陽光発電システムで高い評価を受けています。

それぞれのメーカーの製品特徴をよく調査し、予算に合った製品を選定することが重要です。各メーカーは独自の技術や品質を提供しており、使用目的や設置条件に応じて最適な太陽光パネルを選ぶことができるでしょう。専門家の意見を仰ぎながら、信頼性や性能面を考慮して適切な選択を行うことが大切です。

義務化に反した場合の罰則規定はある?

太陽光パネル設置義務化の背景や各自治体の動き、東京都の条例などについて解説しました。

近年の電気代高騰によって、太陽光パネルの設置が義務化されていない自治体にお住まいの方でも、導入をご検討されている方は多いと思います。

太陽光パネルは設置してから10年?20年も使い続ける製品のため、運営実績やアフターサービスがしっかりしている業者を選ぶことが重要です。

サンエーは、家庭用太陽光発電の設置を承っています。導入の設計から施工はもちろん、導入後のアフターフォローまでワンストップでトータルサポートいたしますので、安心してお任せください。

まとめ

太陽光パネル設置義務化の背景や各自治体の動き、そして東京都の条例について解説しました。近年の電気代高騰により、太陽光パネルの設置を義務化されていない自治体にお住まいの方でも、太陽光パネルの導入を検討されている方は多いでしょう。

太陽光パネルは設置してから10年~20年も使い続ける製品であり、長期的な運用を考える際には、運営実績やアフターサービスがしっかりしている業者を選ぶことが重要です。

持続可能なエコエネルギーの画像

お電話からはこちら▼
042-310-0750

弊社の0円ソーラーはSDGsをに向けた取り組みを考えている企業におすすめです。
0円ソーラーは初期費用なしで導入ができる月々定額制太陽光発電システムであり、一定期間経過後には設備の権利は貴社のものとなります。

メリットとしては、
・電気代のコストダウン
・停電時に会社の動きがストップすることを防ぐ
・SDGsへの貢献による企業価値の向上
・補助金が活用できる

など様々です。

先で述べたようなESG経営による企業価値の向上、投資をされやすくなることや、ビジネスチャンスの増加、お客様から選ばれる企業に成長できるなどの大きなメリットに加え、会社内でかかる大きな電気代を一定に出来ることや、災害などにより停電が起こったときに電力会社に依存せずに自家発電で会社を動かせることは継続的なコストカットや会社の信用にも繋がります。

脱炭素経営を目指すならメリットの多い太陽光発電をおすすめします。